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2007年12月03日
11月30日「風呂桶のない風呂屋」
今週、二度目の京都である。
京都造形美術大学新元先生のクリエイティブライティングの授業を特別に受講させていただく。
特別ゲストは「負け犬の遠吠え」で知られるエッセイスト酒井順子さん。
授業後、一緒に飲みに連れて行ってもらう。
憧れのエッセイストの方と飲む前に、ひとつお風呂にでも入って、さっぱりしておかねばと思い、銭湯に向う。
というのは嘘である。
待ち合わせまで少々、時間があったので、ふらふら大学の周囲を散歩していたら銭湯に出くわしただけのこと。
ここは一つ京都の銭湯でも味わってみようと飛び込んでみたのである。
ガラリと扉をあける。
番頭さんが新聞を広げて読んでいる。
東京と同じ390円を支払う。
「ありがとう」の代わりに「おおきに」という言葉をかけていただける。
大阪とは少々、違う「おおきに」の空気感。
脱衣所の木製コインロッカーは、かなりの年季が入っている。
そして小中学校の保健室にあった大きな体重計がど~んと置かれ、
「しづかにお乗り下さい」
と書かれた張り紙が目に入る。
「しづか」の「づ」の部分にバッテンが書かれ、「ず」に直されている。
客が直したのか、番頭さんが直したのかと予測しながら、番頭台の方を見て、客に違いないとなぜか確信する。
浴場に入り、思わず
「狭っ!」
とつぶやいてしまう。
ひとつひとつの浴槽があまりにも狭いのである。
一人が体を伸ばして入ったら、それだけでいっぱいになってしまう浴槽が3つ設置されている。
ちょうど、老人2名、学生らしき方1名が入っている。
自然に僕は入れない。
仕方がないので、洗い場で身体を洗おうと思うのだが、ここでまたまた異変に気付く。
銭湯でおなじみのケロヨンの桶が見当たらない。
いや、ケロヨンでなくてもいいのだが。
とにかく桶が見当たらないのである。
ここはマイ桶を持ってこいという銭湯なのだろうか。
桶だけではなく、座り椅子もない。
いや、2つだけある。
しかし、洗い場は7,8カ所ある。
しかも座り台の上には2つともシャンプーや桶が置かれ、キープされている。
これでは椅子取りゲームではないか。
仕方がなく、キャッチャーのしゃがんだままのポーズで、シャワーを浴びる。
いや待てよ。
今、3人が風呂につかっている。
座り椅子が2つということは、一人はないはずだ。
彼はどうするのだろうか?
と思ったとき、隣のおじいちゃんが風呂から出てきて、タイルの上にあぐらをかいて座り込み、洗い始める光景を見た。
潔い…。京都の銭湯、まだまだ奥が深そうである。
渋い銭湯でした。
名古屋の駄菓子問屋のように。
投稿者 ishiko : 2007年12月03日 08:21




