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2007年09月25日

9月24日「つまみになる作品」

江ノ島をブラブラしながら、1件のギャラリーに立ち寄る。
新嘉喜ちさ子氏初の大型作品が目に飛び込んでくる。
壁には彼女の息子のみやび氏の写真が母親の作品を見守るように展示されている。

くじらをイメージした作品は、様々な観点から鑑賞でき、人生の縮図が彫り込まれている。
中に彫り込まれたピエロの顔は、どこか切なく、どこか穏やかである。
自分の半生と重なり、ついつい黙り込んでじっと見つめてしまう。

素材がクスノキというのも、僕にとっては思い出深い。
2年程前まで実家の庭に、かなり大きなクスノキがそびえたっていた。
樹齢は500年以上はいっているのではないかと言われる程、古い木だった。

家を覆うように立っていたクスノキは、
「覆いかぶさる木は家を繁栄させないから切った方がいい」
「落ち葉や枝が迷惑だ」
と長い年月、言われ続け、母の葵ちゃんは、2年程前に切ってしまった。

切った後は、
「何も切らなくてもよかったのに」
「家を守っていたクスノキだから、タタリがあるんじゃないの?」
と言われるようになり、母の葵ちゃんは後悔の念にとらわれ、一時期、病気になってしまった。
童話「ロバの親子」のように、姉も含めて僕ら親子は右往左往した1年だった。

素材のクスノキの香りがツンと鼻に響いた。
この作品の前に座り込んで、日本酒でもちびちび飲みたい気分だった。
つまみになる作品に出会えるのは、人との出会いと同じように嬉しいものである。

IMG_6142.jpg

あれ以来、僕は木を見る目が変わったと思う。
でも相変わらず、詳しいわけではない。
アートと同じように。

投稿者 ishiko : 2007年09月25日 07:13

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