« 9月4日「来年からどうするの?」 | メイン | 9月6日「新しい広告の在り方」 »
2007年09月06日
9月5日「誰かいい人いないですかね?」
僕には、「部下」と呼べる人がいない。
どうしても呼びたいときは、その辺にいる友人に「部下」というニックネームをつけて呼べばいい。
そんな僕にも唯一、雑誌の編集長をしていた頃、「部下」と呼べる女性が二人いた。
恐らく人生最初で最後の部下であろう。
そんな妹のような二人と久しぶりに飲む。
一人はオビッチ。
ファッションが大好きな女性だったので、ファッションページを担当していた。
半年くらい経った頃だろうか。
ある晩、彼女は泣きながら僕に訴えた。
「私、気づいたんです。文章を書くことが嫌いなんです」
「え〜!じゃ、なんで雑誌やってんの?」
それ以来、彼女はファッションページの絵コンテだけを書き、女性のファッションのことなど何も知らない僕が、テキストを書いた。
確かに彼女が書くよりは僕が書いた方がマシだった。
そう思うと彼女のおかげで僕は今、書くという仕事ができているのかもしれない。
そんな彼女も今ではエステ専用化粧品会社の部長を勤めているらしい。
「マニフェストじゃないんだけど…」
と梅酒ロックを飲みながら話す姿はどこか女性部長っぽい。
しかし、どう聞いても話の筋がよくわからない。
「オビッチ、それフェミニストのこと言ってんの?」
僕らは突っ込んだ。
やはり、彼女は相変わらず文章が、いや日本語が苦手らしい
もう一人はセイラ。
漢字で「征良」と書く。
当時、履歴書に貼付けられた写真の髪は短く、僕は「まさよし」と読み、男性だとばかり思っていた。
実は大学を卒業したばかりの女性だったのだが、どう見ても、中学を卒業したばかりの男の子にしか見えなかった。
そんな彼女も現在、30歳を超え、編集者としてバリバリ働き、髪の毛も伸びたのだが、僕にはようやく大学を卒業したばかりの女性にしか見えなかった。
「石原さん、私に彼氏を紹介してくださ〜い」
今までの人生の中で、パートナーを考えて紹介したことは一度もないし、頼まれたこともない。
「そんなの周りにいっぱいいるでしょ?」
僕は面倒くさそうに梅酒を飲み干した。
「いないから言ってるんだよ〜。石原さんにとって唯一の部下なんでしょ?」
「そうだよ!私たちにとっては社会人最初の上司だったんだよ〜。何とかしてよ〜」
オビッチも一緒になって責め立てる。
一応、どんな人がいいのか聞いてみる。
急に二人の目つきが変わった。
「わがままは言わないよ。
しいて言えば、おじさんみたいな人は嫌だよなぁ。
メタボリック症候群もだめだよ。
後は、一緒に浴衣を着て花火に行こうと言ってくれる人。
そうそう、料理もできた方がいいなぁ。
顔はカッコ良くなくちゃだめだよ。
あっ!忘れてた!
爪が少しでも伸びている人はだめ。
深爪ぐらいでちょうどだね」
僕は梅酒をおかわりを頼みながら、聞き流すことにした。
「石原さん、ちゃんと聞いてる?ちょっと石原さん、爪、伸び過ぎ!」
昨日、切ったばかりの僕の爪を見ながらセイラが言った。
こんな彼女達ですが、もし、奇特な方がいらっしゃいましたらご一報くださいませ。

彼氏の話になったら、急に瞳孔が開きぎみになり、鼻の穴も広がっていった。
二人ともすごくカワイイんですけどね…。
って書くように命令されました。
投稿者 ishiko : 2007年09月06日 08:05




