« 7月25日「散走目線」 | メイン | 7月27日「音!音!音!」 »
2007年07月27日
7月26日「マイケルムーアの新作は素晴らしい!」
マイケル・ムーア監督の新作「シッコSicko」の試写に行く。
今回、彼が扱ったテーマは医療制度。
アメリカの医療制度がひどいという話は、アメリカ在住の知人から聞いたことはあった。
しかし、この映画を観て、ここまでひどいとは思わなかった。
基本的に国民健康保険という制度がアメリカにはない。
ということは医療は全額自己負担になる。
ちょっと怪我をしただけで数十万円かかり、2、3日入院などしようものなら100万円などすぐに越えてしまう。
他の先進国程、医療制度は進んでいるとは言い難いが、それでも国民健康保険制度がある日本からすると、その感覚は実感しにくい。
日本だとペットを飼っている人が獣医にかかったとき、公共の保険制度がない為、医療費の高さに驚いてしまう感覚に近いかもしれない。
よってアメリカでは医療保険に入らなくては、とても病気になどなれない。
その医療保険の大半も問題点が多い。
イシコが、その問題点をまとめる能力がないので、「シッコSicko」のマスコミ向けリリースから拝借すると以下である。
大半はHMO(健康維持機構)という、民間の保険会社が医師に給料を支払って管理するシステムなのだ。
となると保険会社が「治療は不必要」と診断した医師は、「保険金の支出を減らした」からと報奨金が出る始末。
自然に加入者には何かと理由をつけて保険金を支払わず、多額の献金で政治家に都合のいい法律を作ってもらっている。
これではアメリカの保険充実度が先進国中最下位の世界37位というのも納得できる。
では、他の先進諸国はどうだろう。
イギリスやフランスでは医療にお金がかからない。
フランスなどでは、24時間態勢で往診にまで対応している。
もちろん、その分、税金は高いかもしれないが、病気になったとき、安心して暮らせる社会の方がいいことは言うまでもない。
僕が今年の3月に取材旅に出掛けたキューバも医療にお金はかからない。
しかも、キューバは世界最高峰の医療技術が集まっていると言われている。
そのキューバの病院にマイケル・ムーア監督が出掛けて行った。
9.11テロの際、救命士として働いた人達は、現在、当時の現場の凄まじさをモロに浮け、気管支や肺を患い、後遺症に苦しんでいる人が多い。
しかし、そんな貢献者達さえも政府は守ってくれない。
医療費で優遇されるわけでもなく、高い医療費を受け入れるしかない。
それ以来、復職できない程の身体になり、いつしか貯金も底をついてしまう。
彼らをキューバに連れて行き、無料で診察と治療を受けさせたのである。
アメリカで約120ドルの吸入器は、約5セントで手に入る現実を目の当たりにした一人の女性は悔し涙をこぼした。
何故、先進国アメリカが健康保険制度を導入できなかったのか。
医療がタダ=社会主義国家というイメージが根付いてしまった。
というか植え付けさせてしまったからのようである。
僕が試写に入る時、前の会の「シッコ」の試写から出てきた映画ライターの渥美氏とバッタリ会った。
「アメリカってひどい国だよ」
彼女が苦々しい顔をして、つぶやいた意味がわかった気がした。
もちろんアメリカは素晴らしい国であることはわかっているが、少なくとも医療制度の面から見ると決して住みたい国とは思えない。
来年の大統領候補で騒がれるヒラリー・クリントンは、90年代半ば、夫のビル・クリントンが大統領に就任した直後、医療の特別専門委員会の委員長に就任して国民健康保険制度をアメリカに導入しようとしたことがあった。
しかし、保険会社や製薬会社などの医療業界につぶされた。
さて、来年、もし、彼女が大統領になったとしたら、どうなるのか?
そんなに単純ではないことも描かれている。

アメリカが本気で取り組んだら、早い気はするんだけどなぁ。
やっぱりそんなに単純じゃないのかなぁ。
投稿者 ishiko : 2007年07月27日 07:23




