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2006年07月22日

7月20日「隣の客は…」

昔、ジョン・フォードという二人の巨匠がいた。
よく知られているのは、1900年代半ばから70年代にかけてハリウッドの映画監督である。
しかし、もう一人、同性同名のジョン・フォードが17世紀のイギリスに居た。
劇作家として。

彼の戯曲「あわれ彼女は娼婦」
兄と妹の近親相姦のお話である。
この作品を蜷川幸雄氏が演出した。
兄は三上博史、妹は深津絵里。
実はこの作品は10年以上前にベニサン・ピットという大好きな劇場で観たことがある。
そのときの演出はデヴィッド・ルヴォー、兄は豊川悦司、妹は西牟田恵が演じていた。

そして、10年以上前のデヴィッドルヴォー作品にも今回の蜷川幸雄作品にも、どちらにも出演しているのが、今年1月紀伊国屋演劇賞を受賞した梅沢昌代氏。
いかにも演劇評論家のような口ぶりだが、イシコの探究心が、そこまで強いわけがない。
ただ単に旧知の飲み仲間である梅沢氏が出演していたから、どちらも拝見できたと言った方がいい。
せっかく彼女に取っていただいたプレミアチケットなので、じっくり見比べてみますか。
的に思っていた。

しかし、しかしである。
僕の隣に座った男性客の反応が妙に気になる。
演劇オタクなのか、それとも、ただ単に三上博史が嫌いなのかはわからないが、彼が出てくる度に、全てのシーンではないが、ところどころで一言何か感想を言うのである。
彼が朗々と語るシーンで
「大袈裟なんだよ!」
つぶやくように言う。
上手にはけて行くだけなのに
「ちっ!」
舌打ちである。
以来、彼が三上博史氏の芝居を見て、つぶやいたと思われる言葉をあげると
「だから…(ダメ出しでもするかのように)」
「はぁ〜(ため息)」
「ふっ(あきれて笑ってる)」
声は独り言で小さいのだが、メチャクチャ気になるのである。

舞台上の三上博史ワールドな世界は、これはこれでありだなぁとイシコ的には思うのだが、まぁ、嫌いな人には仕方がないし、見方はそれぞれである。
以前、ニューヨークで蜷川作品のマクベスを観た時、大竹しのぶが舞台に出てくるだけで、僕の前に座っていた黒人が大笑いしていた時と同じである。
そういえば、No.42の名無しのホワイトマンが、プロデューサーで関わっている映画「海猿」は、泣けるラストシーンが海外で爆笑の渦だったとも聞いた。
文化の違いというか考え方や見方の違いとは面白いものである。

話を元に戻そう。
とにかく舞台全体を味わうより、三上博史が出てくると隣の客がどう反応するかの方が気になってしまう。
結局、カーテンコールで彼は、三上博史にだけ拍手を送っていなかった。
ひょっとしたら、好きの裏返しかもしれないが…。

投稿者 ishiko : 2006年07月22日 08:26

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